犬や猫は、検便をしたからといって安心はできません。
一度の検便では分からない事がたくさんあるようです。
元野良猫である保護猫の場合、お腹に虫がいる可能性は多大にあります。
ツナさんのように、ほぼほぼ乳飲児状態ならまだしも、外でエサを食べるようになった離乳後の仔猫ならなおの事です。
ツナさんも保護してから数回、検便をしてもらいました。
猫の検便は比較的安価でできますし、便を採取するのも簡単にできます。
外に出る猫や野良猫を保護した場合は何度か検便してもらう事をお勧めします。
ツナさんの検便結果は数回に渡り異常無しでした。
それでもツナさんはお腹に虫が見つかってしまったのです。
保護猫の検便について
私は、保護猫を最初の病院に連れて行く時は、便を持参した方が良いと考えます。
検便で何も無ければ、だいたいの動物病院が電話連絡で結果を教えてくれるので、検便のために、再度病院を訪れる手間が減るからです。
検便の場合は、必要なければ当の犬や猫を病院に連れて行かなくても良いのです。
便だけを持参して病院に預ければオッケー。
動物病院は犬猫にとってはストレスになるので少しでも行く回数は減らしたいものですから。
私の場合は、便を採取してジップロックのようなチャック付きの収納バッグに入れ、その袋に採取日時を書いて持参します。
ツナさんの便はとっても小さいので、100均で販売している小物用のチャック付き収納バッグを使用しました。
定期的なお薬を飲むために小分けにして曜日ごとに分けたりしているので、既にこれが家にあったのもあります。
動物病院で検便の指示があった場合は、専用の容器をくれたりするのですが、私の場合は、検便をお願いする気マンマンだったので、この方法をとりました。
それからというもの、ほとんどがこの方法で便を持参しています。
保護猫ツナさんからウネウネ
検便の結果が数回とも良かったため、とても安心していたのですが、ある日、ツナさんが眠っているところを撫でていると、尻尾の辺りにムニュッとした感触があたりました。
見てみると尻尾の付け根辺りを白いモノがウネウネと動いています。
その時の私の心境は今、これを読んでいただいている皆さまの心境とほとんど同じだと思います。
しかし、そこは動物と暮らすのを生き甲斐のようにして来た私。
何故だか一瞬で冷静になり、爪楊枝でそれを採取。
検便の時に使用した「チャック付き収納バッグ超小型」に収納し、たまたまお休みであった次の日の朝一でツナさんとともに病院に持参しました。
病院についた頃にはウネウネは米粒のように硬くなっていました。
保護猫ツナさん瓜実条虫に寄生される
念のため朝採取した便と、ウネウネが米粒に変化したものを提出したら、もう物凄くすぐにツナさんが瓜実条虫という寄生虫に寄生されていることが判明。
獣医さんがひとめで解るほど一般的な寄生虫のようです。
なんでも疑問に思うと調べてしまう私は、当然、瓜実条虫についても調べてみました。
瓜実条虫とは
瓜実条虫というのはいわゆる「サナダムシ」と呼ばれる白くて細長い寄生虫の一種です。
頭節と呼ばれるいわゆる頭の部分と、片節と呼ばれる身体の部分があって、この片節は、文字通り節のようになっていてそれが長く伸びていきます。
この片節一つ一つに、卵がびっしり詰まっていて、それが成長しきると一つずつ宿主のお腹から排泄されるという仕組み。
この瓜実条虫は、ノミという中間宿主が不可欠なようです。
猫や犬が、瓜実条虫に寄生されたノミを、グルーミングで口に入れた際に、瓜実条虫に寄生されるというわけです。
ノミは瓜実条虫の卵を食べて寄生されます。
ノミと瓜実条虫は、切っても切り離せない関係なのです。
瓜実条虫が見つかれば、ノミがみつかる。
ノミが見つかれば、瓜実条虫が見つかる可能性が高い。
とはいえ、ツナさんの身体に、ノミは視認できませんでした。
元野良猫なので、お風呂に入れたからといってノミのいる可能性はとても高いのですが、仔猫なので、視認で見つからないという事で、駆虫薬は見送られました。
その代わり、虫下薬を飲んで様子を見る事になりました。
虫下薬のドロンタールを処方される
ほとんどの場合、犬猫の虫下はドロンタール錠を処方されます。
これは山に入っていた先先代の犬たちにもよく処方されていたお薬なので、私も知っていました。
もちろん、今回ツナさんに処方されたのもこのドロンタールです。
瓜実条虫はこのドロンタールの一回の服用で、比較的容易に駆虫できる寄生虫です。
白い楕円形の錠剤で真ん中に切れ目が入っていて容易に分割できるようになっています。
このドロンタール錠を一回服用すれば良いわけです。
当時のツナさんの体重は2キロに行かないくらいだったので、このドロンタールを半錠頂いて帰りました。
保護猫ツナさん、初めて錠剤を飲まされる
犬母ちゃんは、犬に薬を飲ませるのは得意な方です。
新米の看護師さんが苦労していたうちの猟犬たちには、結果いつも私が飲ませていました。
錠剤やカプセルを犬に飲ませるのが造作もないので、犬たちを診てくれていた動物病院の先生は、フィラリアのお薬をはじめ、何かと言えば注射ではなく薬を出していました。
方法は、「ひょいぱくごっくん」です。
よく薬を飲ます方法を聞かれた時、こう説明するのですが、これが一番的確だと私は思います。
座った状態で顎を上げさせ、口を開けて喉の奥に放り込んで口を閉じさせます。
喉の動きでごっくんしたのが解るまで上を向いておいてもらうのがポイント。
タイミングとコツさえ掴めれば、ほとんどの犬が吐き出す事はありませんでした。
だがしかし、ツナさんは猫なのです。
犬ではないのです。
しかも、うちの犬の多くは大型犬でしたので、子犬の時もツナさんよりは大きかった。
それからそれから、猫の口は犬のように嘴状に長いわけではなく、横に広いので、薬を吐き出す可能性もずいぶんと高いでしょう。
とはいえ、一度は犬にやっていた方法「ひょいぱくごっくん法」を試してみない手はありません。
この飲ませ方は一瞬で、道具も要らないからです。
うまく行けば、猫のストレスも最小限ですし、「エサ混入法」と違って薬の入りも確実です。
私は、動画やら写真やら文章やらで、猫の薬の飲ませ方をインプットし、頭の中で何度も何度も投薬のシミュレーションをしました。
そして、事後のためのオヤツまで用意して、いざ投薬。
半錠をさらに割り、小さくしてから計4回飲ませました。
思ったよりもうまく飲んでくれてホッとしましたが、やはり犬よりも猫の方が薬を飲ますのが難しい気がしてなりません。
舌の動きも、犬よりバリエーションがあるような気もしますし、何より色々な事にとても敏感です。
私は、猫の身体についても学ばねばならぬようです。
保護猫は動物病院に行く機会が多い
本当に保護猫は動物病院に行く機会が多いです。
元は野良猫であったのだから、それはそうだと思うのですが、想像以上に色々と起こります。
本当に早い段階で病院を決め、院長先生ともお話しやすい環境を作っておいて良かったと思います。
猫はとても繊細な動物なんだなというのがストレートな思いでして、もちろん犬だって繊細なのですけども、犬はもっと人間に寄り添った存在なのかもしれません。
犬は横に居て、猫は目の前に居る。
伝わるかどうかはわかりませんが、そんな感じがしている今日この頃です。