キャットフードを選ぶのはびっくりするくらい大変です。
それでも少しでも我が子のために良いフードを選びたいと思うのが親心です。
しかし、そもそも猫のごはんはキャットフードで良いのでしょうかという疑問から、どうしても私は入ってしまうのです。
我が家にはもともと大型犬のまぐろさんがいました。
彼女の時も同じようにごはんで悩んだのですが、結局、彼女の場合、ほぼ手作り食で20年近く長生きしてくれました。
もちろん、その間も色々なフードを試したり、手作り食の勉強をしたりしましたけども、あんまり悩まない手作り食でも、まぐろさんは長生きしてくれたのです。
そうはいっても、ツナさんは猫です。
しかも、大型犬であったまぐろさんに比べて体重は10分の一です。
ミルクを卒業して離乳食になった頃から、私は猫の食事について調べはじめました。
これはもう性分ですので致し方ありません。
その間にも、ツナさんがびっくりするくらい食べるのがヘタクソな事とか、動物特有の「食」に対する執念のようなものが極端に薄い事などが判明し、それがまた私の頭を悩ませる原因になったりするのです。
私は、長年動物たちと暮らしてきた間につちかわれた持論とか方針とか、心構えといったものと照らし合わせながら、ツナさんのごはんについて考えています。
これは、いつまでも終わらない永遠のテーマだと思います。
猫の手作り食は犬の数倍難しい
まずひとつ言える事は、私が、犬のために長年続けてきた「手作り」を、早々に諦めたという事です。
犬は人間と暮らすうち、食生活も人間に合わせて進化させましたが、猫は全く人間に合わせるつもりが無かったようです。
犬は人間と暮らすうちに雑食に近い食事で健康を維持できるように身体を進化させました。
人間と同じものを食べるというわけにはいきませんが、「食べさせてはいけないもの」を知るだけで、比較的容易に手作りに切り替える事ができるのです。
どうしても食べなければいけないものと、食べてはいけないものを食品で簡単に知ることができました。
私は、基本、犬の食べてはいけないものはあまり食べない生活でした。
犬の食事を人間がいっしょに味をつけて食べているといった感覚です。
しかし、猫はそうではありません。
「食べさせてはいけないもの」を食べさせないというだけでは、必要な栄養素を全て摂取できるわけではないのです。
ですから必要な栄養素をきちんと毎日摂取させるためには、相当な知識と労力が必要です。
残念ながら、今の私には、それはできません。
ですから、早々に、手作り食という選択肢は外れることになったのです。
作ったとしても、おやつや補助食くらいの事で、普段の食事はきちんとしたフードを選ぶ必要があるようです。
例えば、タウリンという成分は猫には必須の栄養素ですが、猫は体内でこれを生成できないため、食事から摂取する必要があります。
タウリンはまぐろやぶりなどの血合いに多く含まれる成分です。
こんな風な事がたくさんあり、しかもこれを体重に合わせて計算しなければなりません。
とても専門的な知識です。
本当に残念な事ですが、今の私にはとても出来ることではありません。
キャットフードの選び方
ドッグフードの場合もそうですが、キャットフードは世の中にそれはもう把握しきれないほどたくさんあって、その中には劣悪なものも、たいへん優れたものもあります。
我が家の猫に合うものもあれば合わないものもあります。
近所のスーパーやホームセンターに行けば、壁一面に色々なキャットフードが並び、最近ではコンビニでオリジナル商品のフードが売られていたりもします。
これだけ多種多様なフードがあれば、当然、飼い主さんたちは、我が子にいったいどれを食べさせたら良いのか途方に暮れてしまいます。
療法食であるならばある程度絞り込む事はできるでしょう。
けれども多くの健康な猫たちは、療法食を食べる必要はありません。
我が子を幸せに導くために、飼い主さんはいつも頭を悩ませる事になるのです。
情報の多さはまた時に悩みの種にもなるわけです。
ネットのキャットフード情報は鵜呑みにできない
世が便利になったおかげで大量の情報を得る事ができるようになりましたが、そのぶん、正しき情報を探し出す事がなかなか困難になってきたのも事実です。
現代の我々は、ネットで簡単に情報を得る方法を持っていますが、結局、情報を集めてそれを脳内にインプットするのは人間自身です。
たくさんの情報の中から、自分の欲しい情報を手に入れるとき、そこに自分の偏見が少なからず入ります。
認知バイアスというものです。
- 先入観
- 直感
- 恐怖
- 願望
そういった、情報を自分のために整理する時にかかる自分自身への圧力のようなものが、時に選択を不合理なものにします。
これをできるだけ減らすためには、自分自身の中に筋の通ったコンパスのようなものが必要なのですが、これはなかなかに難しい問題です。
その認知バイアスが働く限り、ネットで正しい情報を得る難易度は数段に高くなります。
そんな中でも、飼い主さんは我が子に、できるだけ良質なキャットフードを選択しなければなりません。
自分自身が認知バイアスにより、不合理な選択をしてしまう可能性がある限り、ネットの情報を鵜呑みにすることは危険な事です。
それは、どんな情報でも同じです。
厄介な事に、これに敵意帰属バイアスというものが関わってきて、自分が一度敵意を持ったものに対しては、どんなに合理的な説明がなされようとも、攻撃的な気持ちしか抱けないのが人間です。
このキャットフードはダメだと思ったら、どんなに合理的な説明があっても、選択からはずれてしまうことはよくある事でしょう。
ネットの情報が間違っているというより、その情報を取り入れる時の自分に偏りがあるという事を認識しなければなりません。
まず食べてくれる事が条件
どんなに栄養的に優れたスーパーフードを選んだとしても、当の猫が全く興味を示さないのではお話にもなりません。
猫がまず喜んで食べてくれる事が第一条件です。
我が家の方針は、食事は「楽しく明るく美味しく」です。
嫌いなものを無理に食べさせるのではなく、なんとか食べて貰えるように工夫するのが我が家の方針なのです。
ですから、キャットフードに関しての第一条件は「おいしく食べてくれる」なのです。
とはいえ、ツナさんは、びっくりするほど食事に執着しません。
母ちゃんの手作り食は一粒残さず食べるぞという勢いだったまぐろさんに対して、お腹空いたような気がするなあ、ごはんでも食べるかなあといった具合の食べ方をするのがツナさんです。
この食に対して執着心のないツナさんに、必要な規定量を最低限食べてもらえるフードを探すのがまた、一苦労なわけです。
総合栄養食と一般食
キャットフードには、総合栄養食と一般食があります。
一般食とは、わかりやすく言えば、おやつやトッピングのことです。
普段のごはんは総合栄養食を選ばなければなりません。
猫が必要な栄養素をしっかりとバランス良く配合してあるのが総合栄養食で、基本的に、これだけを規定量食べていれば、食事の栄養的に健康に問題はありませんというものです。
普段のごはんとしてのキャットフードは、総合栄養食と明示してあるものを選択するのが基本中の基本です。
もちろん、日本の家畜に対する倫理観はまだまだ海外の中でもかなりレベルの低いものですので、基本的に表示してあるものが信用できるかどうかはわかりません。
それでも、やはりメーカーのほうも、最低限の基準を満たしていないと何かあった場合に困るので、最低限の事はしています。
私は国産のものであれば、作った人の顔が見えるものを信用します。
顔が見えるという事は、何かあった時に、その人が責任を取るということなので、当然、悪いものは作らないだろうというのが理由です。
それでもやはり、動物倫理の高い国を拠点としているメーカーを選ぶ事が多いです。
そういう国にあるメーカーであれば、チェックの目や検品をする場合に基準にしているモノがとても高いからです。
第一主原料が肉か魚のものを選ぶ
猫は犬と違って、人間と暮らしながら人間に合わせて進化することを選びませんでした。
食生活も人間に合わせる事はなく、犬がより雑食に近くなったのに対し、猫は根本的に肉食です。
肉食というのはどういう事かというと、動物性の食物を主にエネルギー源にしているということです。
植物性の食物から必要な栄養素を抜き出して自分の力にする事はあまり得意ではないという事です。
動物性のタンパク質は、肉や魚そのものと言っても過言ではありません。
もちろん、米や穀類も良質なタンパク源であるのですが、それを効率よく身体に取り込むのがとても苦手なのが猫なのです。
猫などの肉食動物は、食べ物にしている動物や魚などが、穀類や野菜を一度消化して栄養にしたモノをその肉や内臓から調達します。
穀類や野菜を消化するのはとても苦手ですが、その中に含まれる栄養素が不必要というわけではありません。
ですが、主たる栄養源は肉や魚です。
第一主原料は肉や魚でなければならないというのはとても理に叶っています。
キャットフードを選ぶ時、原材料表示をみましょう。
原材料表示は、含まれる量の割合が多いものから順に書かれています。
一番最初に肉類の名称が書かれているものを選びましょう。
但し、カッコで囲われたものはそれを一つの品目として計算するというルールがあります。
「肉類(チキンミール、ミートミール、鶏)」と書かれている場合は、ミールの量が多いという事になります。
ミールというのはそもそも肉そのものでなないので、「肉類(鶏、七面鳥)」などといったその肉をどの動物から生産したのかという事だけが書いてあるものを選ぶのが賢明です。
米やとうもろこし粉や穀類がものすごく悪いという勘違いがたまにありますが、これらが含まれているからといって第一主原料がこれらでなければ問題はなく、むしろ、必要な栄養素を追加している可能性があります。
前述したように、猫はそのものから栄養を抜き出すのがとても苦手なので、植物性のものは、分離タンパクとして含まれているのがより望ましいです。
絶対に必要ないのは「合成着色料」
キャットフードに絶対にどうしても間違いなく必要ないものは、「合成着色料」です。
私は、この表示を発見した時点で、そのフードをそっと棚に戻します。
なぜ、メーカーが合成着色料を入れるのかというと、飼い主さんの購買意欲をそそるためです。
猫自身は、食べるモノに美味しそうな「色」は求めていません。
猫自身の嗜好性を高めるのは香りと食感です。
「色」自体は、全くと言って良いほど関係ありません。
飼い主さんが、かわいい!とか美味しそう!と思うだけです。
猫自身が直接財布を持ってキャットフードを買いに行くわけではありません。
飼い主さんが、キャットフードを買いに行くのです、当然。
その時に、かわいいとか美味しそうとか思って貰えば、買ってくれる可能性が高まるという事です。
最近では、体に害のすくない合成着色料もあるようなので、それが即、猫の身体に悪いですよというばかりではないかもしれません。
でも、私は、その精神性が嫌いです。
だって、それを食べるのは猫だもの。
猫の事を第一に考えようよ、メーカーさんよ。
というのが、私の正直な気持ちです。
もちろん、犬や猫は飼い主さんの気持ちにとえも敏感なので、「見て見てー!かわいいでしょ?」と飼い主さんが喜んでる姿をみて、このフードは美味しいと思ってしまうコもいるかもしれない。
まあ、その場合はそれでいいかなと思うのですが、私自身は、合成着色料の入ったものは犬猫用には極力買わないです。
メーカー側が猫第一を考えていないからです。
防腐剤に関して
合成着色料に対して、防腐剤の役割はまた違います。
防腐剤は、フードの酸化を防ぐために含有されるものです。
酸化とはすなわち、腐ってしまうことです。
合成着色料と違って、絶対に全く必要ないモノではありません。
むしろ、必要な場合があります。
肉類そのものを原材料にした場合、酸化は避けられないものです。
これは自然の原理です。
もちろん、パッケージや保存方法で酸化を防ぐというのが最も理想的なやり方です。
けれども、流通の加減や保存環境などで、酸化の具合はまちまちであり、パッケージや保存方法では解決できない場合があります。
身体に影響のないレベルの防腐剤はむしろ必要な場合があるのが現実です。
酸化したモノを食べる事によって身体に多大なる影響が出てしまう場合です。
防腐剤の含有を隠すという事があれば速攻で棚に戻しますが、正々堂々と「身体に影響がでないレベルで含まれてますよー」という場合は、むしろ、信用に値すると個人的には考えています。
ツナさんは肉食派
ツナさんにとりあえず食べてもらえるためのごはんを選ぶために、私は、手に入るサンプルを色々と試してみました。
サンプルの場合、ほとんどが通信販売経由になると思うのですが、この時注意しなければならないのは、「送料」です。
私が昔よく失敗していたのは、送料払ったら近所のスーパーのほうが断然安かったというオチと、商品より送料のほうが高いじゃんというヤツです。
送料込みでこの値段なら許せる!とか、送料無料のものを選ばないと、サンプルに莫大な金銭を注ぎ込むことになりかねません。
キャットフードをコロコロ変えるのは危険という考えもありますが、アレルギーがわからないし、色々試してみるしかありません。
良いフードに当たっても、急に食べなくなったり、アレルギーになったりするかもしれません。
キャットフード選びは一生続くテーマなのかもしれません。